大人になってから始めるドラムは

こんにちは。Drum&Music School シンの田中です。


今回は大人になってから始めるドラム、子供の頃から始めるドラムの違いについて、個人的な能書きを書こうと思います。暇つぶしに付き合っていただけたら幸いです。

“子供の上達には勝てない”ってホント!?

大人が“つい”言ってしまうあの言葉!

今年でドラムの先生を始めて5年が経ちました。

学生の頃から両親や友人に
「教師になった方がいい」
と、めっちゃ言われてきた気質で、僕自身も人に何かを教えたりすることは好きです。

そんな事から本格的に先生を始める前にもドラムレッスンは度々してきました。
その中で、老若男女様々な方にレッスンをしてきましたが、中でも大人の方は必ずといっていいほど、このようなセリフを仰います。


「子供の上達には勝てないね」


はたして本当にそうでしょうか?

今日は僕の生徒さんの事例を挙げて、いくつかお話していきたいと思います。

子供の頃から始めたから上手い」

最近はドラムだけでなく、どのカテゴリーでもスーパーキッズ達が講師も脱帽する超テクを披露する動画が沢山出てくるし、そう言いたくなるお気持ちは十分伝わってきますが、

僕はこのセリフ…

嫌い!!

です。
むしろ、この言葉に違和感を覚える講師の方が多いんじゃないかと僕は思います。


僕は神奈川県は横浜市鎌倉にて
T’amo music school
という音楽教室のドラム科上級講師として、小学生から還暦を越されたシニアの方まで、幅広くレッスンをさせて頂いています。


その中でも、最も上達が早い生徒さんの一人は誰かと聞かれたら…まぁ、殆どの生徒さんの顔を思い浮かべますが、特にクラス最年長のKさんを真っ先に思い浮かべます。

リズム感良く、動きもとても綺麗で安心できる音色をいつも奏でてくれるのがとても心地良いので、毎回のレッスンでいつも眠気に誘われます舌鼓を鳴らしてしまいます。


そしてもう一人、今度は逆に最年少であるS君を思い浮かべます。

“できない!”
“難しい!!”
と愚痴りながらも60分後には自然とコツを掴み、次回のレッスンではモノにして、「まだ100点じゃない」と言いながらも僕に披露してくれます。



年齢も体格も真逆と言っていいほど正反対なお二人ですが、非常に大切で確かな共通点があります。

“大人と子供の上達の共通点”って!?

突出した練習時間

先ずは何といっても、これです。


お二人とも他の生徒さん方よりも明らかに自主練の時間が長く、Sくんに至っては練習のし過ぎで指に豆ができてしまったこともあるのだとか。


練習時間が長いことで、レッスンで受けたアドバイスを繰り返す内に、自分だけの色々な角度からアドバイスを分析することができます。


そうする事で結果的に我流として効率の良い動きに変換して体得することができます。


逆に練習時間が短いと、受けたアドバイスを100%モノにしたとしても、その先の’応用’にいけません。


当然、講師もレッスン中は極力生徒さんの動きを分析してアドバイスを送りますが、最終的にモノにするのは生徒さん自身であり、それは“練習”でしか得ることはできないのです。


子供の方が自由な時間がとりやすいから練習だってしやすいはずだ…


といった意味では“子供の上達には勝てない”という言葉は間違っていないのかもしれません。


しかし!!


大人にだって子供にはない“人生経験”や“自己分析能力”、”理解力”といった大きな武器があります。

これらをフル活用すれば、教えれば教えるだけスポンジのように吸収できるのは子供だけではないことが実感できるはずです。

独特な練習方法

僕の教室では、基本的に生徒さん一人一人の能力に合わせた手書きの楽譜を準備していますが、Kさんは以前、ご自身で課題曲の楽譜を書いてこられことがありました。

リピート記号やD.S等々、便利な省略や進行記号を使うこともなく

計128小節!!

を手書きで書かれた楽譜を読ませていただき、この上なく感動したことは言うまでもありません。



人は、書くと覚えます。

英単語や漢字だけの専売特許ではありません。

楽譜も書くことでリズムのイメージが浮かんできますし、単に叩くよりも立派な練習になります。



Sくんの場合は、レッスンで受けた内容を彼のお父様が本人に最も伝わりやすいように形を変えて教え直しています。

レッスンにお父様がいらっしゃる時は、レッスン中でも時たまサポートしてくれてとても助かっていますが、流石の先生も親子間の本気の絆を見せられたら勝てる気がしません 笑



このように、上達の早い方には早いなりの理由が必ずあり、そこに年齢は関係ありません。



僕自身、講師を始めた当初は

“子供の方が上達が早いし、そこに大人が悔しがっても仕方がないから割り切っていきましょうよ”

と思っていましたが、実際はそんなことないと実感できたし、そういった考えは大人に失礼だと、最近は改めてこの記事で述べた哲学をもってレッスンに臨んでいます。



余談ですが

「オレは大人じゃないからできない!!」

と、悔しがるチビッ子がいます。

お互い様で実に面白いです。 笑

唯一の弱点

さて、今までドラムを始められようとお考えの大人の方々へエールを送ってまいりましたが、キチンと伝えなければいけない大事なことがあります。


もちろん大人の方全員がそうではありませんし、逆に子供以上に優れた人もいるでしょうが、日々の生活やお仕事で毎日同じ姿勢を繰り返されている方々は…はい、その通りです。


身体が固い!!


ドラムは脱力を利用して叩くのが基本ですが、全体的に筋肉や関節が固くて

“脱力している”

という感覚自体を掴みにくい方もいらっしゃいます。



そういった体の特徴を持った方には不利かもしれませんが、だからといってドラムを叩けないわけではなく、むしろ姿勢や関節をほぐすエクササイズとしてドラムが一役買ってくれるかもしれません。

いかがでしたでしょうか??

何事も大人になってからじゃ遅いということはありませんし、大人なってからだからこそ見える世界があるかもしれません。

上達に関しての持論を述べさせていただきましたが、結局はドラムをより楽しめるようになることが一番大切なことであり、上達は副産物です。

回りと比べることなく、マイペースに楽しんでいきましょう♪



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